セキュリティ業界未経験から努力を重ね、事業を支えるスペシャリストへ:セールス Yuri Kiyosawa / ciao
目次
業界や営業スタイルの異なる3社を経験専門知識とスキルを兼ね備えた「尖ったセールス」を目指してFlatt Securityへセキュリティ診断とKENROのセールス、その違いは?セキュリティ業界未経験から学んだノウハウをマニュアルとして整備ある1日のスケジュールプロフィール
——現在のお仕事について教えてください。
業界や営業スタイルの異なる3社を経験
——キャリアのスタートについて教えてください。
大学生の時はアルバイトばかりしていました。飲食店のホールやアパレルのアルバイトなど色々やりましたが、その中でも特に、接客系の仕事が好きでした。自分自身が好きなものをお客様にお勧めして、その品物の良さを理解していただけるととても嬉しかったです。今思うと、元々セールス気質だったのかもしれません(笑)。
就職活動では、総合職やセールスを中心に色々な企業を見ていました。いわゆる事務職のようなデスクワークの仕事は、自分には絶対に向いてないと思ったからです。最終的に、ある繊維商社に営業職として入社することになりました。服が好きだったこと、セールスという職種での募集だったことからその企業を選びました。でも、当時はセールスという仕事がどんなものなのか、全く理解していませんでした。
——Flatt Securityに入社される前、3社でセールスとしてのキャリアを重ねられてきていますが、それぞれの会社においてどのようなことをされていましたか?
新卒入社した繊維商社はレガシー企業で、支給されたガラケーとノートを片手に訪問営業を行っていました。アパレル企業のデザイナーさんやOEMを担当するメーカーの方が主な顧客層でしたね。アナログな環境ではありましたが、それゆえにお客様との対面コミュニケーションのスキルやビジネスコミュニケーションのスキルが身についたように思います。
その会社で2年間勤めてから、営業の基礎を改めて学び直したいと思い、大手ITソリューション企業へ転職し、美容院向けWebサービスの新規・既存営業を担当しました。営業先は主に美容院のオーナーや店長さんで、訪問での対面営業を行っていました。3年ほど働いていましたが、毎月の目標がかなり厳格で数字に追われる日々が続き、「お客様に寄り添ったセールスをやりたいのに、本当にこれでいいのか?」と疑問に感じることが増えました。また、それまでセールスとしての経験は訪問営業が中心でしたが、移動が業務時間の大半を占めてしまい、営業の本質的な業務に時間を割けていなかったことから、他の営業手法についても身につけていきたいという気持ちが強くなっていきました。
3社目に入社したのが、BtoB SaaSスタートアップです。過去レガシーな業界でセールスをしていた経験から、SalesTechという考え方に非常に共感して入社しました。中小企業の経営者や営業部長などをターゲットとして、非訪問でのBtoB SaaSのフィールドセールスを行っていました。SaaSセールスに必要なTHE MODELの手法を理解し、実践できるようになりました。
3社での経験を通して、セールスとしての基礎的なコミュニケーションスキルに加えて、「何が何でも数字を追う姿勢・スタンス」は身につけられたかなと思います。一方で、今こうして振り返ると、これまで在籍してきた企業の営業手法は様々ですが、取り扱う商材は価格や期間、内容が一定のものが多く、お客様のご事情やご要望に応じてそれらを調整する裁量がなかったように思います。
専門知識とスキルを兼ね備えた「尖ったセールス」を目指してFlatt Securityへ
——Flatt Securityを知ったきっかけは何でしたか?
ビズリーチでスカウトをいただいて、初めてFlatt Securityのことを知りました。当時は、自分の視野を広げたかったので、企業からカジュアル面談の提案をいただいたら、企業の規模や業界にかかわらずとにかく一度参加してお話を聞くようにしていた時期でした。Flatt Securityのことも当然知りませんでしたし、社長がとても若い企業ということで不安しかありませんでしたが(笑)、一度話を聞いてみようと思ってカジュアル面談に参加しました。
当時はKENRO専任セールスとしてのポジションを募集していたので、KENROについても詳しく話を聞けたのですが、「高いニーズがあって国内に競合がほとんどいない」というところにポテンシャルを感じました。最初はあまりにもできすぎた話だと思ったので疑っていたのですが、より深く話を聞く中で、他社にはない高い技術力など競合が追随できない背景についても理解でき、納得しました。
——Flatt Securityへ転職した決め手は何でしたか?
3社目の会社でBtoB SaaSセールスとしての基礎スキルを身につけたので、IT業界の中でも、より成長性の高い企業で働きたいと思うようになりました。また、自分自身の今後のキャリアのことも考えると、何か特定の分野に特化した知識とスキルを持った「尖ったセールス」を目指していきたいという気持ちもありました。
Flatt Securityのことは、正直お声がけいただくまで全く知りませんでしたが、「KENROは一応SaaSではあるし、セールスとしてこれまでの経験を活かせそう」と感じました。加えて、「KENROのセールスを通じてシステム開発に詳しくなれば、自分の市場価値が格段に上がりそう」とも思いました。会社自体の成長性については判断ができなかったのですが、サイバーセキュリティという分野自体は今後確実に需要が伸びていく分野なので、業界全体の成長性を信じて入社することにしました。
——スタートアップで働くことに、不安感はなかったですか?
正直なところ不安はありましたが、Flatt Securityで働いて専門的な知識やスキルを身につければ、万が一この会社に何かあったとしても自分自身のキャリアには確実にプラスになるとも考えていました。好奇心が不安に勝りましたね。
セキュリティ診断とKENROのセールス、その違いは?
——Flatt Securityで担当されているサービスを教えていただいてもよろしいでしょうか。
私は主に「セキュリティ診断」と「KENRO」のセールスを担当しています。
セキュリティ診断は、対象となるお客様のプロダクトに対してFlatt Securityのセキュリティエンジニアが擬似的な攻撃を行うことで、プロダクトの設定不備や予期せぬ情報漏洩などの脆弱性(※1)を見つけて報告するサービスです。一般的には「脆弱性診断」とも呼ばれています。
Flatt Securityのセキュリティ診断の大きな特徴は、「高い技術力」と「柔軟な提案」、「開発エンジニアに寄り添った報告書」の3点だと考えています。
1点目の「高い技術力」については、国内外のハッキングコンテストで数々の実績を有するセキュリティエンジニアが多数在籍しており、メンバーが取得したCVE(※2)や技術ブログでの発信を通して、お客様から高い信頼をいただいています。
Flatt Securityは「開発者のためのセキュリティ」をコンセプトとしている会社なので、SaaSなどのプロダクトを開発している現場に寄り添った形でサービスを提供することを目指しています。そのため、セキュリティ診断においてもお客様の開発環境やご予算に合わせてオーダーメイド型で診断内容を検討し、ご提案しています。これが2点目の「柔軟な提案」ですね。
最後が「開発エンジニアに寄り添った報告書」です。セキュリティ診断では「プロダクトの脆弱性の有無をチェックして終わり」ではなく、「発見した脆弱性を理解し、修正いただく」ことが最終的なゴールになります。脆弱性を修正する開発エンジニアの方は、Web開発のプロではありますが、必ずしもセキュリティの分野に詳しい人ばかりではありません。Flatt Securityでは、セキュリティに関してあまり詳しくない開発エンジニアの方々でも理解しやすく、プロダクトの迅速な修正に繋げられるよう、診断終了後お客様にお渡しする報告書に様々な工夫を凝らしています。そして、その内容をご評価いただき、リピートのご依頼や口コミでの新規顧客獲得にも繋がっています。
(※1)脆弱性:WebサービスやOSなどのソフトウェアもしくはハードウェアにおけるセキュリティ上の欠陥。設計不備や不具合などにより生じることが多い。セキュリティ診断(脆弱性診断)ではこういった脆弱性を洗い出し、修正方法を開発者に提案することが可能。
(※2)CVE:プロダクトの脆弱性に関する情報をデータベース化するための識別子。アメリカ政府の支援を受けた非営利団体Mitre Corporationが中心となり、グローバルに管理・更新が行われている。セキュリティエンジニアや研究者が、自らが報告した脆弱性が認定されCVEが採番された時に『CVEを取得した』『CVEを持っている』と表現することがある。なお、Flatt Securityのセキュリティエンジニアが取得したCVEの一覧はこちら。
KENROは、開発エンジニアの方向けに提供している、セキュアコーディング学習プラットフォームです。テキスト教材だけでなく、攻撃者目線でWebアプリケーションを攻撃しながら学べる「ハッキング演習」と、脆弱性が埋め込まれたプログラムを実際に修正しながら学べる「堅牢化演習」という2種類の実践型演習を提供しているのが大きな特徴です。演習を通して実際の業務に活かせるスキルを学習できるため、非常にお客様からのニーズが高く、同等の機能を備えた国内に類似サービスはほとんどないことがこのサービスの強みです。現在、スタートアップでの小規模導入から、大企業での新卒研修・社内研修まで、幅広い場面で活用いただいています。
——どのようなお客様が多いですか?
プロダクトを自社開発している事業会社がメインですが、プロダクトの受託開発を行っている会社の方からのご依頼も一定数あります。
職種で見ると、開発エンジニアやインフラエンジニア、SREの方がほとんどです。まれにプロジェクトマネージャーや情報システム部門の方とやり取りすることもあります。
Flatt Securityの各サービスの顧客事例をインタビュー記事として公開しています。
この記事を読んで興味が湧いた方はぜひご覧ください!
■セキュリティ診断
■KENRO
——各サービスに対して、セールスとしてどのようなお仕事をされていますか?
セキュリティ診断に関しては、以下のような流れで対応することが多いです。お客様とのやり取りは基本的にSlackを使っていますが、ご要望に応じてメールを使ってやり取りすることもあります。
(1)お問い合わせ対応
お電話やGoogle Meetで、セキュリティ診断の実施を検討している背景や時期、ご予算、利用技術などのヒアリングを行います。
(2)秘密保持契約の締結
(3)お客様とのお打ち合わせ
(1)でヒアリングした内容をさらに深掘りし、適切なご提案を行えるようお客様との認識を揃えます。技術的なサポートが必要であれば、セキュリティエンジニアに同席してもらいます。
お打ち合わせで最も重要なのは、診断対象となるアプリケーションの仕様や特にセキュリティ面が気になる機能について詳しく教えていただくことです。診断実施のコストや、完了・ご納品までの期間が限られている場合は、診断対象を重要なポイントのみに絞る形で提案することが多いからです。
(4)見積・提案内容作成
見積や提案内容を検討するのに必要な情報をお客様から提供いただいた上で、セキュリティエンジニアと協力しながら具体的な中身を詰めていきます。お客様のご要望に沿うように、複数の診断メニュー・プランを組み合わせて提案内容を作成します。
セキュリティ診断をご依頼されることが初めてのお客様も多いため、その診断でどのポイントを検査することができるのか、どうして重要なのか、などできるだけわかりやすく具体的に記載するようにしています。
(5)発注確定後、社内外調整・契約対応
ご発注いただけることが確定したら、社内外の調整を行っていきます。お客様とは診断開始時期や納期の調整を進め、社内ではその案件にアサインするセキュリティエンジニアのスケジュール調整をプロジェクトマネージャー(PM)と相談しながら進めていきます。同時に、契約書作成や契約関係書類の法務チェックも並行して対応します。
(6)診断環境の整備
診断に必要な環境や資料を確認して、お客様にご用意いただきます。
そして、ここまでが完了したら、PMに案件の引き継ぎを行い、期間中はPMに診断の進捗管理をしていただき、セキュリティエンジニアに診断を進めていただきます。
(7)診断実施
診断期間中は、基本的にPMにリードしていただく形になるのですが、円滑に進んでいるかどうか随時確認するようにしています。ご請求に関連するやり取りが発生する場合は、営業担当である私が直接ご説明することもあるため、必要に応じて、いつでもサポートに入れるようにはしています。
(8)診断報告書納品準備
診断を担当したセキュリティエンジニアに報告書を作成いただきます。報告書の技術的な内容は、作成者以外のセキュリティエンジニアが必ずレビューを行うことで、クオリティを担保しています。PMとセールスも内容のチェックは欠かさず行っています。
(9)診断報告書納品〜ご請求書の発行、フィードバック受領
社内でのチェックが完了したら、PMが診断報告書をお客様に納品します。お客様側で報告書の内容をご確認いただき、問題がなければ「検収完了」として営業がご請求書を発行します。
その後、脆弱性が検出された部分のプロダクトの改修をお客様が進めていくことになります。ご報告した脆弱性が再現してしまわないかどうかチェックするための再診断を後日実施することもあります。
また、サービス改善のため、フィードバック会や事例インタビューの形で、できる限りお客様からフィードバックをいただけるよう努力しています。
ここまでで、ひとつの案件がクローズとなります。
KENROに関しては、新規顧客に対するご提案や既存顧客へのサポート、追加ご発注をいただくための営業活動、トライアルを利用されたお客様へのフォローを中心に行っています。セキュリティ診断を利用されたお客様にKENROをご提案することもあります。
ユーザーの追加やコースの変更などはサービス画面から簡単に出来る仕組みなので、お客様との接点はそこまで多くはありません。お客様のニーズや困りごとを定期的に把握するために、ユーザーインタビューを積極的に行っていくようにしています。
セキュリティ診断は、診断内容などを都度カスタマイズして提案するタイプのサービスなので、コンサルティングに近いかもしれません。お客様によって診断対象や時期、規模感は様々で、「複数社に同じ提案をする」といったことはまずありません。一方で、KENROはサブスクリプションでこそありませんが、一般的なBtoB SaaSと同じような形でセールスを行っています。
——セキュリティ診断の提案内容は案件ごとにかなり異なるんですね。
そうですね。例えば、Webアプリケーション診断という診断メニューで提案する場合であっても、お客様が診断を必要とする背景や、診断対象となるアプリケーションの採用技術スタック・仕様・サービス内容に応じて、最適な提案をするようにしています。
——どのような体制で仕事を進めていますか?
現在、セールスは私とyuriさんの2人体制です。お互い常にアクティブな案件を10〜15件担当している感じですね。2人が同一案件を担当することはほぼないので、必要な情報はSlackでこまめに共有するようにしています。
yuriさんは、私から見て「オールマイティなスーパー営業」です。セキュリティ診断のセールスのフローを当時の事業部長と一から作り上げた方なのですが、コンサルティングに近いような複雑な条件をフロー化したという事実はいまだに信じられません(笑)。また、セールスとしてのスキルも非常に高く、「お客様の意図を汲み取る力」「提案の柔軟性」「社内外の交渉力」の3点が特にずば抜けている方だと感じています。お客様の言葉から、その背景を汲み取った上で最適な提案をされていますし、通常フローに則らず案件固有の事情がある場合は柔軟に対応し、提案内容に反映されています。お客様、社内メンバーとしっかり調整して、双方にメリットのある提案を形にする力が強く、今一緒の職場で働けていることが本当にありがたいなと感じています。
ここまでずば抜けたスキルをお持ちなのにもかかわらず、ご自身の経験や考えに固執することなく、私が提案したことも柔軟に受け入れてくれます。過去に自分が決めたことでも、今の方針に沿っていなければそれを変更することを厭わない方でもあります。社会人としても、Flatt Securityのメンバーとしても先輩ですが、一方で関係性としてはバディに近いので、yuriさんとは仕事がとてもしやすいです。
今思うと、私が入社した決め手の1つは「yuriさんがいる会社だから」かもしれません。転職活動中、色々な企業の面接を受けていたのですが、yuriさんが面接官をしてくれたFlatt Securityの面接が、一番印象に残りました。面接が始まる前に「面接は、企業だけでなく受ける人も選ぶ立場で、お互いがお互いを選ぶ立場だから対等にコミュニケーションをしていきましょう」と語りかけて下さったのが今でも忘れられないですね。当たり前のことではあるのですが、そんな風に私とコミュニケーションを取ってくれた企業は他にはありませんでした。
——普段はどの職種の人とやり取りすることが多いですか?
セキュリティ診断では、社内のセキュリティエンジニア、PMと常にやり取りしていますね。セキュリティエンジニアには、お客様との打ち合わせから報告書作成まで、一貫してご対応いただき、PMには、担当案件へのセキュリティエンジニアのアサインや診断の進捗管理などをご対応いただいています。
KENROのセールスは、事業開発担当のoidongさんと一緒に取り組んでいます。oidongさんは、既存のお客様により利用していただくために何が必要か、より多くのお客様に関心を持っていただくために何をすべきかなどの課題にセールスとマーケティングの両面から向き合い、施策としてアウトプットしてくださっています。それらの施策のうち、セールス施策を実行するのが私の役割です。こういった新たな施策の展開だけでなく、個別のお客様とのコミュニケーションなどについても、日頃から相談しながら進めています。
セキュリティ業界未経験から学んだノウハウをマニュアルとして整備
——セキュリティ業界未経験での入社でしたが、入社後どのように業務フローやサービスへの理解を深めていきましたか?
私は元々KENRO専任のセールスとして入社したのですが、入社して半年が経った2022年1月頃からセキュリティ診断のセールスも担当することになりました。セキュリティ診断に関しては本当に未経験の分野でしたし、これまで経験してきたセールスの業務フローとも異なっていたので、入社してからしばらくはyuriさんと2人で同じ案件を担当して、フローや対応すべきポイントを学びました。それでも、わからないことだらけだったので、わからないことはひたすら質問攻めにしたり、過去の案件情報や社内ドキュメントなどをひたすら遡って漁ったりして知識を身につけていきました。
よく「セキュリティ診断のセールスのコツって何ですか?」という質問を受けることもあるのですが、はっきり言ってコツのようなものはありません。でも、これまでの経験を通して、自分なりに一定のノウハウは掴めてきたと思っています。そういったセールスノウハウや、業務フロー別に気を付けるべきポイントなどは、マニュアルや「知っておくべき用語集」といったドキュメントの形でアウトプットしていきました。これからセールスとして入社される方は、こういったドキュメントを元に、これまで以上にしっかりOJTを受けることができると思います。
——セキュリティに関する知識はどのように身につけていますか?
技術的な質問を自由にできる社内のSlackチャンネルがあるので、技術に関することでわからないことが出てきたら、そのチャンネルで聞くようにしています。Flatt Securityのセキュリティエンジニアは優しい方々ばかりなので、私が多少変な聞き方をしてしまっても、それを嫌がらない寛容さがあります。技術に明るくない人でも質問をしやすい雰囲気を作ってくれているので、ありがたいです。
——仕事のやりがいはどこにあると思いますか?
提案内容の自由度の高さですね。セキュリティ診断ではどれ一つとして同じご依頼はなく、ご提案の種類も無限にあります。そして、Flatt Securityのセールスは単月の個人目標を追うようなスタイルではなく、事業部全体としての目標を部門全員で追っていくスタイルなので、目標数値に振り回されることなく、「本当にお客様に必要なことは何か」を常に意識しながら、お客様に寄り添った柔軟なご提案ができることもやりがいに繋がっています。私の提案内容や説明に納得してくださったり、ポジティブな感想をいただけたりすることも多く、そのような時はとても嬉しいです。
また、お客様のプロダクトや開発環境も様々で、案件ごとに新しい概念や用語が出てくるので、飽きることは絶対にありません。新しい技術や用語を理解するのは大変ですが、セールスが一人で受注するということもなく、エンジニアやPMと協力しながら見積や提案を行っていくので、仲間はたくさんいます。お客様からご同意をいただけた時は「みんなで勝ち取った」感じが強くて、とても達成感があります。
私はFlatt Securityに入社するまで、セキュリティやWeb開発に関する知識は全くありませんでした。ですので、日々、案件を担当する中で、自分で調べたり周りの人に聞いたりして知識を吸収しています。勉強すればするほど、みんなが何について話をしているのかどんどんわかるようになるので、それもすごく楽しいですね。
——仕事をする中で大変だったことはありますか?
セキュリティ診断では、お見積りの段階から社内と社外の調整を並行して進めていくことになるので、慣れないうちは本当に大変でした。1つボタンの掛け違いが生じてしまうと、案件全体に影響を及ぼしかねないので、今も緊張感を持って対応しています。
もちろん、技術的な知識やセキュリティ診断の営業スタイルについても、入社当初は自分にはないものだったので、身につけるまでは大変でしたが、セールスとして非定型的なサービスを提案できるようになったことは大きな財産だと思います。
——入社してから身につけたスキルについて教えてください。
物事を簡潔でわかりやすく人に伝える力はつきましたね。前職までは、顧客企業のセールスやクリエイターの方などとやり取りすることが多かったので、コミュニケーションの中でもアイスブレイクやその場の雰囲気を大事にしていました。でも、この会社に入社してからは、社内外問わずコミュニケーションの対象のほとんどがエンジニアの方々です。アイスブレイクや無駄な話を好まない人が多く、打ち合わせにおいてもすぐ本題に切り込んで、効率的に終わらせるという傾向が強いなと感じました。最初はその文化の違いにかなり苦労しましたが、自分の話し方の癖を分析して、なるべく結論から話したり、伝えたいことは手短にまとめたりするよう意識し続けることで、徐々に慣れていきました。
また、先ほどもお話ししたように、セキュリティ診断のセールスを通じて、非定型的な商材のセールススキルもつきましたし、システム開発やクラウドに関する基礎知識もつき始めています。これまでは価格や内容、導入スケジュールがある程度定まっている商材しか扱ってこなかったのですが、セキュリティ診断ではそれぞれの要素に関して社内外での柔軟な調整が求められるので、調整力や対応力も求められます。
——最近特に力を入れていることはありますか?
お客様との接点を増やし、セールスの質を高めるための施策をyuriさんとともに検討しています。お客様へのヒアリングや、提供したサービスのフィードバックなどをより深く把握することで、提案内容の質を高めるとともに、よりお客様に寄り添ったサービス内容を検討していきたいと考えています。
——Flatt Securityにはどのようなカルチャーがあると感じていますか?
自由でフラットな会社だと思います。違和感を覚えたことに対して意見を言いやすいですし、それを最初から頭ごなしに否定されることはあまりありません。「誰が発言するか」ではなく、「何を発言するか」というところを重視する文化があります。
世の中には、エンジニアと非エンジニアの間に大きな隔たりがある会社も多いかもしれませんが、Flatt Securityにはそのような「職種ごとの断絶」はありません。お互いに質問しやすく、メンバーみんなとても仲が良いです。
また、働き方の面でもとても柔軟です。基本的に私服勤務ですし、髪の色も特に縛りはありません。12:00-17:00がコアタイムのフレックス制なので、仕事の状況や体調に応じて日毎に出勤時間を変えることもできます。オフィスへの出社も自由です。私は週2日出社しているのですが、オフィスではコーヒーや紅茶などが飲み放題なので、それもまた楽しみのひとつです。
何より、有給休暇を取得しやすいのがありがたいです。これまでの会社だと、毎月の目標が決まっていることからなかなか自由に有給休暇を取得することが難しかったのですが、Flatt Securityでは仕事の調整がついていれば有給休暇取得を後押ししてくれます。私は今年の夏、有給休暇を使って久しぶりに海外旅行に行くつもりです。
——これからの目標について教えてください。
Web開発やセキュリティに関する勉強をもっと進めて、「セキュリティ・コンサルタント」と言えるぐらい、よりお客様に寄り添った提案ができるようになりたいですね。今は担当している案件に向き合うことで精一杯ですが、もっと視座を高く持てるようになりたいです。
また、セールスのフローについても、これまで以上に整理していきたいです。既にマニュアル整備などは始めていますが、今後入社される方に向けてのドキュメントなども整備していきたいですし、セールスの効率化を図ることで、案件ごとのコミュニケーションの質をさらに高めていきたいと考えています。
——今後、Flatt Securityでどのような人と一緒に働きたいですか?
新しい知識を身につけて、尖ったセールスになりたい人とぜひ一緒に働きたいです。
私たちは「開発者のためのサイバーセキュリティ」を事業の軸に据えている会社です。セキュリティインシデントが日々起こる現代で、そのような事業にセールスとして関われることに強いやりがいを感じています。セールスという立場から、お客様やお客様のプロダクトを利用しているユーザーを守る仕事に携われるので、とても社会の役に立つ仕事ができている実感があります。
セキュリティ診断では、ご依頼によって全て条件が異なり、どれひとつとして同じ提案をすることがないので、毎日緊張感を持って仕事を楽しめます。非定型商材なので、最初は大変かもしれませんし、「正解」と言えるものはありません。でも、私はこの仕事を続ける中で、自分の中の思い込みを壊しながら、新しい知識を習得することができました。これまで経験したセールスの経験や常識を一旦捨てて取り組めていると言ってもいいかもしれません。自分が着実に「尖ったセールス」に近づけているという実感を持っています。
お客様を主語にしたセールスをしたい人や、誰に対してもリスペクトの気持ちを持ち、チームで目標達成を目指したい人にはうってつけの環境だと思います。逆に、「数字を取るため」「個人の目標を追うため」だけにセールスをやっていきたい、という人には向いていない環境かもしれません。Flatt Securityでは、セールスだけでなく、エンジニアやPMなど、事業に関わる全員で案件を担当していきます。
ある1日のスケジュール
ciaoさん「複数案件を同時並行で担当しているので、実際のスケジュールはここまで綺麗に分かれていません。」
10:00 出勤
10:00-10:30 スケジュール・TODOチェック
10:30-13:00 ご同意済・診断中のお客様へのご連絡・ご調整
13:00-14:00 休憩
14:00-15:00 新規のお客様とのお打ち合わせ
15:00-17:00 商談済のお客様へのご連絡
17:00-18:30 お見積・ご提案書作成やレビュー
18:30-19:00 営業ドキュメント作成
19:00 退勤
プロフィール
2014年、神戸女学院大学卒業後に繊維商社へセールスとして新卒入社。その後、大手ITソリューション企業、BtoB SaaSスタートアップを経て、2021年7月、Flatt Securityに入社。主にセキュリティ診断とセキュアコーディング学習プラットフォーム「KENRO」のセールスを担当している。