異なる職種のメンバーとのコミュニケーションは難しい? Flattmatesに聞いてみた

こんにちは。Flatt Securityで主に「セキュリティ診断」と「KENRO」のセールスをしているciaoです。私の経歴については採用インタビューの記事にも記載しているのですが、Flatt Securityに入社するまでの数年間は、「セールス組織」という範囲の中で仕事をすることがほとんどでした。
 
 
前職はいわゆるSaaS企業だったので開発組織も存在したものの、すでにサービスはパッケージ化されていたため、残念ながら開発チームとの関わりがほとんどありませんでした。
さらに、Web開発などに関する知識は必須とされない営業スタイルだったので、たとえばSlack上で目にする「stg環境」という言葉の「stg」が「ステージング」を意味する、ということすら知らないような状態で、Flatt Securityに入社しました(安心してください、数年前の話です)。
 
一方で、本稿を執筆している2024年4月時点ではFlatt Securityは約40名ほどの小さな組織なこともあり、職種や職域を問わず闊達なコミュニケーションが日々発生しています。そのため今は、ほぼ毎日自分とは異なる職種、主にセキュリティエンジニアやPM(プロジェクトマネジメントオフィス)とコミュニケーションを取りながらお客様との打ち合わせに臨み、お見積り・ご提案を作成しています。
過去数社を経験してきた私としては、これはFlatt Security特有のカルチャーのひとつのように感じています。
 
本稿を読んでくださっている方の中には、もしかしたら「Flatt Securityで働くことに興味がある」という方、更には以下のような不安を抱いてこの記事にたどり着いた方がいらっしゃるかもしれません。
 
  • 自分と職域が違う、または隣接しない職域の人とどのような場面で一緒に仕事をするのかわからない
  • その際にどういうコミュニケーションが発生するのかわからない
  • そういったコミュニケーションをしたことがないので不安がある
 
本稿では、上記のような不安を払拭すべく、Flattmates(Flatt Securityメンバーを指す愛称)にアンケートを取ってみた結果をお伝えします。
今回はとりわけ「専門性の高い、技術的なコミュニケーションにおいて」という点を中心に質問項目を据え、いわゆる「ビジネス職」と呼ばれるような職種の人たちに回答していただきました。
 
目次

どのようなシーンで異職種メンバーと関わるのか

まず、ビジネス職のメンバーが、業務内のどういったシーンで異職種のメンバーと関わることが多いのか聞いてみました。
 
  • プロダクト広報、技術広報(DevRel)、採用広報、『トリリオンゲーム』の技術監修など、技術的な情報発信に関わる際に、相談し合うことが多いです!(広報)
  • 案件の進捗状況を確認する時・納品物のチェック時(PM)
  • 顧客との打ち合わせ・提案作成(セールス)
  • 技術的な内容を含むマーケティング施策の企画/コンテンツ作成、プロダクトの企画/開発/運用(BizDev)
 

異職種メンバーとのコミュニケーションに難しさを感じたことは?

続いて、「異職種のメンバーとのコミュニケーションに難しさを感じたことがあるか聞いてみました。
グラフを見ていただくとわかるとおり「いいえ」が100%という結果で、早くもこの記事の結論が見えてきました。
 
やや作為的に見えてしまうようなアンケート結果ですが、事実、Flatt Securityに入社してからは「異職種だから」という理由でコミュニケーション面でのハードルの高さを感じたことはありません。
メンバーがお互いのバックグラウンドをある程度知っており、互いにリスペクトする気持ちを持った上で、それぞれの前提知識に沿った伝え方をするよう努めていることが大きな理由ではないかと個人的に考えています。
 
回答メンバーにも、その理由を質問してみました。
 
  • 弊社のメンバーは、職種を問わずお互いに対するリスペクトを持っていて、越境的に好奇心を働かせているメンバーが多いので、特に難しさを感じたことはありません。(広報)
  • 入社当初は、自身の確認したい内容がうまく伝わっているか自信がありませんでしたが、すぐにそのような心配はなくなりました。Slack上で、オープンなやりとりをする環境が基本のためか、困っているとスグに誰かが助けてくれます。(PM)
  • Flattにいる中で職能や職責の違いによるコミュニケーションに難儀したことはありません!ポジションに違いはあれど、全員が同じ方向を向けているからでしょうか。(セールス)
  • セキュリティサービスの商習慣や技術的な内容などドメイン特有の難しさはあるものの、「相手が異職種だから難しい」といったシーンがないため。(BizDev)
  • 全員の人柄が良い / 自分が最低限の技術的素養があるため(経営)
  • コミュニケーションにおいて、個々の性質によって難しさを感じることはあれど(これは誰しもが異なる個性を持っているので当然のことです)、「自分と異なる職種だから」という理由で難しいと感じたことはないから(コーポレート)
  • テキストでの説明や質問が難しいと思ったときには、すぐにオフィスもしくはハドル/Meetなどで会話をするように心がけているため(セールス)
 
以上のような回答が寄せられましたが、職域によるコミュニケーションの難しさを感じていない理由はまとめると以下の2点ではないかと思います。
 
💡
職種問わず、お互いにリスペクトの気持ちを持っていること
💡
オンライン・オフライン問わず、普段からオープンな場でやり取りをする文化があること
 

異職種とのコミュニケーションで特に心がけていること

続いて、Flattmatesが職域の違うメンバーと仕事をする際にどのようなことに気をつけているのかをお聞きしました。改めてこういった話をすることはあまりないので、個人的にも気になるポイントです!
 
  • 専門領域が異なるメンバーとはお互いが何を理解していて、何を理解していないのか、という点をクリアにしながら議論するよう努めています。議論の前提は人によって異なることが多いので、自分の常識(思い込み)にとらわれず、ゴールは何か、自分のしたいことは何かをクリアにしてからコミュニケーションを取らないといけないと常に意識しています。(なかなか完璧に実行するのは難しいですが…)(広報)
  • 自身のコミュニケーション方法は、ほぼSlackでの文章のやりとりのみです。様々なシチュエーションで確認のためのやりとりをしますが、「より早く伝わること」を目標にどのやりとりも最小限で済むよう、自身からの確認文をテンプレート化するよう努めています。またスクショを活用することも多いです。(PM)
  • 職種を限定した話でなく、誰とでも建設的な議論をする上で大事なのは、「ファクト・考察・意見」が混ざらないように伝えることかな〜と思います。あとは、些細な話ですが仕事以外でもなんでも、ありがとうとごめんなさいをきちんと曖昧にせずに伝えるようにしています。(これは生き様の話であり仕事の話ではないです!)(セールス)
  • 事実と解釈を分けてコミュニケーションすること(BizDev)
  • 特に技術的トピックについて確認をお願いするときに、前提となる情報を正確に伝える/ファクトと解釈は分けて伝えることを意識しています。前提が違えばシステムの挙動は変わりますし、非技術者と技術者の着目ポイントは異なりがちなので、余計な解釈はコミュニケーションミスの元になりがちです(一方で、自分なりの予想・解釈をもつ姿勢がないと一生成長しないので、ファクトと分けて自分の解釈も載せておくのは良いことかなと思います。)。(経営)
  • 他の職種の人と話す時にはコーポレート側(特に労務・経理)にとっての専門用語を多用せず一般的な用語に変換する、専門用語を使う時は補足を入れる、ということを心がけています。よくわからない言葉が多用されると、本来伝えたい要点に集中できず伝わりにくくなるなど、コミュニケーションの妨げになると考えているからです(知らない言語を話しているのと同じことになります)。(コーポレート)
  • 誰かになにかを伝える、話を聞くときは「目線を合わせる」(視線じゃない)ことを意識しています。前提の思い込みや、情報など必ず立ち位置に差があるものなので、個人的な【当たり前】を土台にしないように気をつけているつもりです。(全案件を把握しているPMOは特に情報面で相手より圧倒的に強いことが多い)(PM)
 
多くの回答に共通していた内容として、以下の2点がありました。
 
💡
事実(ファクト)と自分の意見や解釈を分けて伝える
💡
自分が常識だと認識していることを議論の前提とせず、相手の立場に立って考える
 
これは異職種とのコミュニケーションに限ったことではなく、さらに言えば仕事以外の場面でも意識すべきことではないかと感じます。
例えば、自分が知っていることを相手も知っている前提で話してしまい、ミスコミュニケーションが起きてしまう場面は、大なり小なりよくありますよね。
仕事だから特別なことが必要なわけではなく、自分の常識を捨てて相手に向き合う、というのが、円滑に物事を進める根本なのですね……(自戒)。
 

異職種とのコミュニケーションにまつわる良い話(エピソード)

Flatt Securityでは、Slackや定期MTG等で「良い話」を全社で共有する文化があります。
このトピックに関して具体的なエピソードがないか聞いてみたところ、たくさんの良い話が寄せられました。
 
  • 広報という立場上、専門領域としない社外の方と、セキュリティの専門家であるセキュリティエンジニアの方をつなぐ業務の機会が多いのですが、弊社のセキュリティエンジニアメンバーの「心遣い」にプロフェッショナルを感じています。特に、『トリリオンゲーム』原作・ドラマ監修や、メディア取材の際にそのような場面を多く経験してきました。専門知識がない社外の方にもわかりやすく丁寧に伝える姿勢、わからないという声に対しても真摯に向き合い、より工夫して伝えようとする姿勢は広報としても見習わなければいけないなと感じています。(広報)
  • 自身の日々の作業を「ここを自動化すると便利そうと思いツールを作ったので、よかったら使ってくださいね」といただいたことは嬉しかったです。職種が違ってもそういう部分に気づいて改善してくださったことも、また何より作業が効率化されたこともとても嬉しかったです。(PM)
  • 弊社はリピーターが本当に多いです!お客様から愛されているなと思える機会がとても多く幸せです。お客様にリピートの理由を聞くと、診断・アウトプットの質はもちろんのこと、コミュニケーションの体験が良かったというFBを大変よくいただきます。特にプロフェッショナルサービスを提供する中でも顧客体験の良さは、納品成果物だけでなくコミュニケーションがキーであると考えるので、営業としても学ぶべきコミュ力です!(セールス)
  • Flatt には「自分で語れる事業をやろう」というバリューがあり、職域を分けず事業に向き合うカルチャーがあります。それもあり、過去に新規プロダクトの仕様を決めるコミュニケーションに難儀していた際、「解像度を上げるためにフロントエンドのコード書いてみたら?」という話になり、プロダクトのフロントエンドの一部を担当していました。エンジニアメンバーのビジネスに対するコミットの高さもそうなのですが、ビジネス職がエンジニアリングの解像度を高めるためのサポートが厚いのもこの会社のカルチャーだと思います。(BizDev)
  • 社内勉強会には予定が合う限りは全て参加して、文字通りの初心者質問をたくさん投げているのですが、口頭でもチャットでも、みんな1を聞くと10返してくれるという感じなので毎回非常に学びになります。(経営)
  • 顧客コミュニケーションに対する意識が高いから、伝え方、書き方をこちら(Biz職)から学ぶ姿勢があり、双方歩み寄る努力を自然にできているところは素敵だなと思います。(PM)
  • 自社開発のセキュリティ診断プラットフォームである ORCAs に対する機能要望をSlack上で呟いただけなのに、すぐに拾ってくれるだけでなく仕様策定を進めてくれる(PM)
 
回答を俯瞰してみると、相手の職域に歩み寄り、お互い学ぶ姿勢(または0から伝える姿勢)がカルチャーとして根付いていることがFlatt Securityの特長のひとつであるように思います。
 

おわりに

本稿では、Flattmatesがどのように職域を超えたコミュニケーションを行っているか、について取り上げてきました。
Flatt Securityでは職種・職域を問わず相手をリスペクトし、互いに思いやりを持って接するカルチャーがあるということが伝わっていればとても嬉しいです。
 
冒頭に記載した通り、私は技術的な知識が全くないままFlatt Securityに入社しましたが、周りのメンバーがとことん優しく教えてくれたので、今では何とか独り立ちすることができています。
もちろんこのような環境であるのは、まだ弊社が小さい組織だということが大きく影響していると思いますし、これから迎える組織の急拡大期においてそのようなカルチャーを維持できるか、はひとつの大きな課題だといえそうです。
しかし、Flattmates全員がこのような意識をもってコミュニケーションすることを続けていけば、決して無理なことではないと信じています。個人的には、このカルチャーこそがFlatt Securityの朗らかな雰囲気を作っているひとつの理由だと思うので、組織が大きくなっても常に意識し続けていきたいです。